婦人科系

子宮筋腫について

無月経

月経予定日が過ぎても月経のない場合を無月経という。
無月経の原因として考えられるものは、鎖陰と子宮の異常、卵巣の異常、中枢神経系(間脳下垂体系)の異常の四つである。
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鎖陰によるみかけの無月経は、実際には月経出血があるのだから、真の意味での無月経とは少々異なる。子宮や卵巣や中枢に異常があったときは、月経出血が起こらないのである。
まず子宮に異常のあるときだが、これには結核性子宮内膜炎や子宮内膜掻肥による子宮内膜の異常(変化)、または子宮発育不全が考えられる。また極端な場合、子宮がない場合も当然、無月経となる。子宮の発育不良や子宮内膜の変化のため、卵巣からホルモンが分泌きれても月経出血を起こせないのだ。

 


卵巣に異常があって無月経となることはかなり多い。いわゆる卵巣機能低下が原因で起こる無月経は、病的な無月経の大部分を占めるといっても過言ではない。
月経のメカニズムは、脳と密接な関係を保っている。したがって、間脳や脳下垂体に異常や病気があると、無月経となることがあるのだ。
たとえば強い精神的ショックやストレスを受けたときも原因となる。戦争中、洋の東西を問わず、無月経となる女性の多かった事実は、ひとつの証明である。身内の不幸、旅行、転居などを契機としてなることも少なくはない。
卵巣機能の低下それ自体に、脳中枢が原因しているとさえいわれるのである。ほかに病気が原因となるものには、甲状腺および副腎皮質の病気、ホルモンの分泌異常などがあげられる。
このように無月経には、ざまざまな原因があり、それをただちに突きとめるのはむずかしい。治療も原因別に行なうのが理想であるが、現実にはそうもゆかないので、多くは卵巣ホルモンの投与を行ないつつ、原因をきぐってゆくという方法がとられる。
黄体ホルモンの投与により出血をみる場合を第一度無月経、出血しないものを第二度無月経と呼ぶ。原因の追求および治療にあたり、各自測定による〃基礎体温表“が重要となるので、正確な測定が要求される。