婦人科系

子宮筋腫について

子宮筋腫は「オトナの女」の病気

通常の超音波検査や内診では発見がむずかしいような、ごく小さい筋腫をもつ人も含めると、驚くことに三割ほどの女性が子宮筋腫をもっているものと考えられます。また、発見される年代のピークは四○代ですが、初潮年齢の低年齢化と閉経年齢の高齢化の影響を受け、発見年齢の幅も広くなってきています。

“増えている子宮筋腫
子宮筋腫の増大因子」であるエストロゲン分泌が、日本女性のからだにおいて増加しているために、子宮筋腫が増えているものと思われます。

 

基礎体温と性成熟期
卵巣の働きが順調であれば、排卵も定期的に起こります。そういう人が基礎体温をつければ、排卵の前後を境に、前半の二週間は体温が低く、後半の一一週間は高いという、きれいな二相性を示していることでしょう。
そのように、女性のからだの機能が安定している状態を「性成熟期」といいます。個人差はありますが、一○代後半から二○代のうちに成熟期が訪れ、それは四○代までつづきます。
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子宮筋腫は「オトナの女」の病気
性成熟期になって、卵巣の働きが順調になると、エストロゲンの分泌も盛んになり、月経周期が安定するようになります。それにつれて、小さくかたかった子宮は、エストロゲンの刺激を受けて、ゆっくりとその大きさとやわらかさを増していきます。
通常、この性成熟期に、子宮筋腫は発見されます。それは、子宮筋腫エストロゲンによって刺激され、大きくなるからです。
いいかえれば、子宮筋腫は成熟した女性の病気といえます。女性ホルモンの分泌が多い、「女盛りの」女性がかかる病気といってよいのです。


閉経後に発見されることも
閉経年齢についても個人差は大きく、四○代前半で閉経を迎える人があるかと思えば、
五○代の後半に入ってから閉経を迎える女性もいます。
性成熟期が終わり、閉経を迎えると、子宮は小さくなります。これは、卵巣からエストロゲンが分泌されなくなるからです。
女性のからだは一般に、このときに大きな変化の時期を迎えます。更年期障害は、その最たるもので、いろいろな症状が出て、つらい思いをする人も少なくありません。
ですが、子宮筋腫をもつ人の場合は、子宮が小さくなると同時に、筋腫も萎縮していくため、症状が楽になることが多いのです。

“小さくなる子宮筋腫
閉経すると、子宮筋腫がかなり小さくなることは、よく知られている事実です。
閉経前であっても、卵巣からのエストロゲン分泌が減ってくれば、エストロゲンによって増大してきた筋腫は、だんだん小さくなっていきます。
また、逆説的ないい方になりますが、子宮筋腫が小さくなってきたことが、閉経の前触れである場合も少なくありません。