婦人科系

子宮筋腫について

鎮痛剤

子宮筋腫の症状の中でも、とくにつらいのが月経時の痛みでしょう。痛みが強い場合には鎮痛剤を使用しますが、鎮痛剤の服用に際しては、いくつかのポイントがありますので説明していきましょう。
第一に、「からだに悪いから」という理由で、鎮痛剤を飲まないでがまんする方は非常に多いのですが、これはとても「損」な姿勢だと、理解してください。

というのも、痛みには、あるレベル(闘値)を越えてから鎮痛剤を服用しても、効果が出にくくなってしまうという特性があるからです。痛みをがまんしすぎて、苦痛にのたうちまわり、結局は鎮痛剤をたくさん服用し、なおかつ効きめが少ない、というのでは、なんにもなりません。こうした事態を避けるには、痛みがはじまったらすぐに鎮痛剤を服用することが重要です。
第二に、どの鎮痛剤をどれだけ使えば効果があるのかは、人によって異なります。強い痛みが起こったとき、どんな鎮痛剤が何錠くらい必要だったかを、毎回記録しておくと、自分の経過を判断するうえでの参考材料になります。


また、漢方薬や鍼治療などで、痛みをコントロールすることも可能です。


子宮筋腫の場合、見つかった時点でなんらかのつらい症状があれば、まず、その苦痛を取り除いたり、やわらげたりするための薬物療法を行います。このように、表面にあらわれた症状を軽減させるために行う治療法を「対症療法」といいます。
鋤痛みの治療や貧血の治療過多月経のために貧血をきたしている場合には、鉄剤を使います。
鉄剤は、通常は錠剤を内服しますが、吐き気や胃の痛みのために服用がむずかしいこともあります。このような場合、小児用の甘いシロップが便利かもしれません。それでも服用できない場合や、貧血が重症で内服では治療が困難な場合には、鉄剤の静脈注射を行います。

過多月経の場合、月経時に止血剤を服用することによって、ある程度、出血量を減らし、その結果として、貧血を起こしにくくすることができる場合もあります。止血剤を飲むと、月経の出血が止まって、その血液が子宮内にたまってしまうのではないかと、心配される患者さんがときどきありますが、あくまでも、出血の量を減らすだけですので、そのような心配はありません。