婦人科系

子宮筋腫について

子宮筋腫があるとおりものもふえます

 

子宮筋腫があると、失禁とまちがえるような水っぽいおりものが
出る場合があります。
子宮の内外には、栄養血管がびっしりと張りめぐらされています。
子宮のどの部分に筋腫ができても、その血管は圧迫を受けたり、血
流が悪くなって、うっ血を起こしやすくなります。もし筋腫が大き
ければ、もっと太い血管まで圧迫を受けて、うっ血は子宮から周囲
の骨盤の内部や睦にまで広がってゆきます。
こうしたうっ血の影響でおりものがふえるのです。
子宮筋腫になる人は、エストロゲンがふつうより過剰に分泌され
ることが多いのですが、そうすると子宮内膜腺や子宮頚管腺などか
らの分泌を促すので、粘りけのある分泌物が通常のおりものより多
く分泌されます。
このおりものの中に糸状の血がまじったり、おりものがピンク色
に染まったりしますが、これは子宮内膜やびらん面からの少量の血
液がまじったためです。
もう一つ、膿状のおりものが出る場合もあります。内腔のほうに
向かっている筋腫の場合は、どうしても中で炎症を起こしやすく、
頚管炎とか内膜炎を起こして、茶色い膿状のおりものになります。

 


子宮筋腫があると下腹部がふくらんで体型の変化がみられます。
「中年になると、おなかが出てきていやねえ」「太っちゃってスカ
ートが入らないの」などという会話は、ミドルエイジの女性の間で
はあいさつがわりになっていますが、こんな体型の変化は、子宮筋
腫のためということもあり得ます。
筋腫がかなり育って、子宮全体が大きくなってくると、ちょうど
妊娠しているときのように下腹部がふくらんできたり、さわるとか
たまり状に感じられることがあります。
妊娠4カ月の子宮の大きさは、ちょうど赤ちゃんの頭大の大きさ
になりますが、これくらいになると、見方によってはおなかのふく
らみがわかってきます。それと同じように赤ちゃんの頭大の子宮筋
腫があれば、下腹が妊娠4カ月くらいにふくらんでくるわけです。
あおむけに寝て、下腹をさわると、かたいしこりを感ずる場合もあ
ります。