婦人科系

子宮筋腫について

頚がんの治癒率は高い

子宮がんによる死亡率は、とても低くなっています。日本女性のがんによる死亡率をみると、一九五五年から一九七四年ごろまでは頚がんと体がんを合わせた子宮がんの死亡率が、胃がんに次いで二位でした。ところが、その後急激に低下し、一九八六年からは九位にまで下がっています。

子宮がんになる人の数は、この四五年間にあまり変わっていませんので、死亡率の低下は、そのまま治る率が高くなったことを意味します。これは、検診によって多くの子宮がんが早期に発見され、治療されるようになったからです。
通常、がんが完治したかどうかは「五年生存率」で評価されます。0期、Ia期の患者さんの五年生存率はほぼ一○○%です。Ib期でも八六%の患者さんが治っています。しかし、Ⅱ期になると六八%、Ⅲ期で四○%、Ⅳ期では一一○%と、がんが進行するにしたがって治癒率は低くなります。
この傾向は、全国集計でもまったく同様です。



 

 

三十歳を過ぎると、居住する各市町村から子宮がん検診の通知が届きます(自治体により異なる)。通知がきてから検診を受けてもよいでしょう。でも、子宮頚がんは、セックス経験のあるすべての女性に発生する可能性があるがんです。初体験の年齢の低下を考えると、三十歳では遅いような気がします。
年齢にかかわりなく、セックスパートナーができたら積極的に子宮がん検診を受けることをおすすめします。実際に、若い人にも0期やIa期の子宮がんがたくさん見つかっています。子宮がんは決して中年以降の女性の病気ではないのです。
結婚したら、妊娠や不妊のために産婦人科で診察を受ける機会を利用して検診を受けるのもよいでしょう。しごとを持つ女性なら、職域で検診が受けられる場合もあると思います。最近では婦人科ドックを開設している病院も多くあります。それぞれの事情に合わせて、一年に一度はがん検診を受けましょう。


それでは、検診は何歳まで受ければよいのでしょうか?
六十歳や七十歳を過ぎても、子宮がある限り子宮がんになる可能性はあります。
お年寄りの場合、自覚症状があっても、恥ずかしがって病院に行かず、がんが進行してから来院される方が多いのですが、子宮がある限り、いくつになっても子宮がん検診を受けることがたいせつです。
また、少しでもいつもと違う出血やおりものがあったら、恥ずかしがっていないで、婦人科を受診してください。