婦人科系

子宮筋腫について

内容物によって三種類に分類

袋状の病変と細胞増殖によるもの

 卵巣が大きくなる病気(卵巣腫癌)は、大きぐ「卵巣嚢胞」と「真性腫傷」に分けられ、子ども(ときには新生児にも)から高齢者まで幅広い年齢層にみられます。
 卵巣嚢胞とは、中に液体の入った袋のようなもので、その代表がチョコレート嚢胞です。卵巣に発生した子宮内膜と同じ組織が月経と同様の出血を起こし、その血液が卵巣にたまって嚢胞をつくります。
 卵巣嚢胞はすべて良性で、また直径一○m以上の大きさになることはまれです。
「真性腫傷」には、腫傷細胞が分泌した液体がたまって卵巣が大きくなった卵巣嚢腫と、腫傷細胞そのものが増殖して大きくなった充実性腫傷があります。卵巣嚢腫のほとんどは良性ですが、充実性腫傷では約七○%が悪性
で、その代表が卵巣がんです。卵巣腫揚全体でみると、ほぼ九○%が良性のもの、残りの一○%が悪性の腫傷です。

内容物によって三種類に分類
 卵巣嚢腫は、卵巣に発生する病変の八五%を占めています。その内容物によって、次の三種類に分類きれています。


・莱液性嚢腫 卵巣嚢腫全体の約一二○%を占め、嚢腫の内容物は、無色または淡い黄色をした透明のさらさらした液体です。大きさはさまざまですが、まれに成人の頭大ほどまで大きくなることがあります。

・粘液性嚢腫 内容物は白色または黄色、褐色のねばりけのある粘液です。ときに五煙を超えるような巨大な腫傷に発育することがあります。嚢腫が破れると、内容物の粘液が腹腔内に流れ出し、臓器の癒着を引き起こした
り、腸閉塞の原因になることもあります。

・成熟嚢胞性奇形腫(皮様嚢胞腫) 若い女性や、ときに小児にもみられます。内容物には毛髪、皮脂腺、汗腺、軟骨、歯などが混じっていることがあり、どろどろとした粥状の脂肪で満たされています。妊娠中に発見される
ことの多い卵巣嚢腫です。