婦人科系

子宮筋腫について

子宮の構造や働き

子宮と卵巣は女性特有の臓器です。子宮と、子宮に密接な関係のある卵巣についての知識は、子宮筋腫の検査、治療について理解するのに、欠かすことができません。では、このふたつの臓器の構造や働きについて、詳しく説明していきましょう。


今女性の肉体上の特徴

女性には、男性とは異なる肉体上の特性がありますが、性器の違いを除くと、子どものころは、その相違がさほど明らかではありません。
しかし、女性特有の臓器である卵巣と子宮は、生まれながらに存在していて、やがて活動する日をじっと待っています。
これらの臓器が本格的に活動をはじめるのは、いわゆる思春期、つまり初めての月経である初潮を迎える年代のことです。
そのころになると、卵巣による女性ホルモンの分泌がはじまり、胸がふくらんで、脇の下や外陰部の発毛もはじまります。こうした目に見える変化に伴い、おなかの中では、小さくかたかった子宮が、少しずつ大きくなり、やわらかみを増していきます。
そして、月経がはじまり、女性の一生はこの初潮とともに、生物学的にも社会的にもひとつの節目を迎えることになります。


子宮は、胎児を宿し、胎児を育てる大切な生殖器官で、平滑筋という筋肉でできた袋状の臓器です。その表面は紫膜という透明の膜に包まれ、袋の内側は内膜という膜でおおわれています。内膜は、さらに外側の筋層と接している基底層と、内側の機能層に分かれています。
この内側の機能層は、胎児を育てるための環境づくりを毎月行います。妊娠することなく、この環境が不要になったときに、機能層がはがれ落ちて排出されるのが、月経です。
この月経の周期が順調か否かは、女性のからだが健康な状態にあるかどうかのバロメータにもなります。


子宮の形や大きさは、やや小ぶりの洋梨に似ています。骨盤のいちばん底の部分に、さかさまになった洋梨が固定されていると考え
ていただければよいでしょう。