婦人科系

子宮筋腫について

子宮筋腫があると流産しやすくなります


正常な妊娠での流産率に比べて子宮筋腫のある人が妊娠した場合の流産率が高いことは、いろいろな論文で報告されています。
理由は筋腫ができると子宮内膜が平らでなくなるので着床がうまくいかず、せっかく妊娠しても流産しやすくなってしまうのです。

また、一般の流産の場合は、95%が対峙の心音を確認できない早い時期に起こりますが、子宮筋腫を合併している場合は、妊娠中期で、対峙の心音が確認されてから流産・早産が起きることも多くみられます。
これは妊娠が進むうちに、筋腫が大きくなって子宮の内部を圧迫して、胎盤の血流を阻害したり、卵膜を刺激して、子宮の収縮や、卵膜の破れを招いて流産・早産になるためだと思われます。

 

Eさん(31歳)は24歳で第一子を出産、その後27歳と29歳のときに2回自然流産をしています。29歳のときは妊娠5ヶ月までもったものの結局流産してしまったといいます。

こんどこそどうしても2人目が欲しいというので、妊娠代6週(2ヶ月)で病院に通いました。子宮の後ろ側の壁に筋腫が認められ、初診と同時に入院し、流産防止に万全を期しましたが、進行流産で残念ながら赤ちゃんはダメになってしまいました。
筋層内の筋腫で、かなり大きくなっていたために、着床がうまくいかなかったためと思われます。
Eさんのように流産を何度も繰り返し、筋腫が原因していると思われるときは、金主を取り除く方向で検討します。